JavaScript を有効にしてご利用下さい.
前田吉彦 / Yoshihiko Maeda
略歴 : 1972 福井県生まれ 1994 東北大学工学部金属工学科 卒業 1996 東北大学大学院工学研究科 中退 2000 京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻 卒業 2002 京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻 修了 2002 10月より1年間 ベルリン芸術大学研究生
MORI YU GALLERY 森 裕一
経歴をみてもわかるように、将来を嘱望された若者が、何故大学院を辞めてまでARTにむかったのか。その世界に彼は何をみすえているのか。
『電撃』という作品がある。前田がベルリンに滞在している間に食べていたのは、パンにパスタにバナナばかり。バナナを食べてはついている青いシールを残しておいた。バナナを木彫でつくり、その表面に数百枚集めたシールを貼り付けたこの作品は秀逸である。
『イム』はフランスパンの中身を取り去り、垂直に立て、硝子ケースにいれた。ベルリンでは空腹で胃が無だったのだろうか、カタカナのイとムをひっつけると仏(ほとけ)になる。パンはよほどありがたいものだったにちがいない。
『電撃』同様、この作品にも、それぞれが収められた硝子ケースには全て供物を備える三宝のようにゲタがつけられている。前田の考える作品には様々な意味が盛り込んであるのだが、その源泉は言葉遊びに起因する。
パスタを束ね、その上に蝋で作った青リンゴをのせて男性器に見立てた『青リンゴ』。ドラえもんの発した擬音にスプレーをかけるとその形象通りにオブジェができあがる漫画をもとにつくった『エーッ』など、そのユーモアはとどまることを知らない。
京都府京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19 tel:075-950-5230 fax:075-950-5240 [MAP]