MORI YU GALLERY

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中山玲佳 / Reika Nakayama : eye-catch

作品名:
eye-catch
アーティスト:
中山玲佳 / Reika Nakayama
サイズ:
117 * 182cm
制作年:
2011-2012
素材:
acrylic and pencil on canvas
     
     
この商品は会員限定です。

ARTIST PROFILE

Reika Nakayama

中山玲佳 / Reika Nakayama

「私達が度々直面する一見矛盾している様な事柄は、実は無意識の中では静かに繋がっていて、 それが意識として浮上してくるのはほんの一瞬で儚い時間なのではないか… こうしたことを考えながら、 明と暗、裏と表、夢と現実、内側と外側など、 相反するものごとを同時に表現することが出来ないかと日々模索しています。」このように語る 中山玲佳は、京都市立芸術大学大学院の油画専攻を修了し、パリへそしてメキシコへと留学。

メキシコへの留学が彼女に与えた影響は計り知れないが、なかでも彼女の持っていた自由奔放な制作態度が守られたことは非常に大きいのではないか。もちろんコンセプト無き作品はそこでも意味をなさなかったかもしれないが、一度外へ足を向ければそこに広がる自由は筆舌に尽くし難いものがあったであろう。モリユウギャラリーでの初個展の頃には学生時代からの荒削りな手法による絵画やドローイング、

ダイナミックなオブジェによる展示で話題をさらったが、艶消しの黒のアクリルに黒の鉛筆の線で描くブラックonブラックの手法とメキシコの織物から触発された色彩感覚豊かな地は2007年ぐらいから使われ出したものだ。

「ある日、ある女が、ある植物を見つけた。女が思わずざっくりと切ったその植物の丸い筒の断面は黒と白。女はそれを夢中でかじり、飲み込んだ。植物は体の中の丸い筒に入っていく。するとその瞬間、植物の筒は体を内側から裏返すように、大きな筒となって体を包み、女を迷宮へと導く抜道となっていた。夢現の間をさまよいながら、気が付くと、眼前には道案内の鹿がたっていた…。」まるでこのような文が口をついてでてくるような作品が『yumeーutsuts/halfdreaming』2008であった。

「その果実を食べると迷宮に入るのか、それとも迷宮を抜けるとそれがあるのか、どちらなのかは、今わからない。
ただ、わかっているのは迷宮というのは一本道で、分岐がないことが特徴の一つとなっているらしいことだけだ。(中山玲佳)」
一度入ってしまった迷宮から抜けられる方法は元来た道を戻ることだけ…しかし、それではつまらないとその洞窟自体が変容し、入ってきた穴自体が変わってしまうかのような方向へと中山は我々を誘う。誘惑は誘惑し続けなければ誘惑でなくなってしまう。ニキ・ド・サン=ファルとマリソルを合わせたようだとも評される中山玲佳は、次に何がでてくるのか予期できない数少ないアーティストの一人である。

DETAIL PHOTO

INTRODUCTION

Yuichi Mori

MORI YU GALLERY 森 裕一

一枚一枚は中山は夢のワンシーンから着ている。それを2枚に合わせる(片方の世界が、もう一方の世界に繋がっている)手法は中山独自もの。夢の中で、中山が鳥を見る視線と中山が猫と同化するかの様に鳥を見ている感覚とがオーバーラップしてくるようだ。

1)パックのカラフルなカラーバーのイメージは、メキシコの伝統的な民族布が元になっている。1本1本のカラフルな線を絵具でひいていく。
2)カラーバーの上に動物のシルエットを黒く描き、その上から鉛筆で毛並みを描く。この技法は中山独特のものかもしれない。この技法をブラックonブラックとでも名付けておこうか。黒の上に黒をのせることでこれほど特徴的に図が立体的に浮かび上がってくるのは非常に興味深い。

3)基本、主となる色を最初におく。一定の濃度の絵具を垂らしながら、線をひいて色をのせていく。
モチーフのかたちからカラーバーに置く主となる色が決まり(浮かび)、その主となる始めの色を最初にひいていくとのことだが、
この地も中山独特のもの。

4)黒いつや消し絵具の上に、鉛筆で毛並みを描く。
5)2枚に分かれたキャンバスの片方に描かれた鳥のシルエットが、猫の目に。この手法は他の作品でも使用されており、臨場感をさらに醸し出している。

6)「毛並みが気になる。触っている感覚で毛を描いていく。」と語る中山。モリユウギャラリーの作家の一つの特徴かもしれないが、触っているかんかくというこの中山の表現は重要である。黒田アキや今回取り上げている五十嵐英之もそのひとりであろう。視覚的に対象と距離があるのではなく、黒田も五十嵐も描く風景をまるで触っているかのように表現していく。視触覚的な発想は五十嵐にも黒田にももちろん中山にも共通するその根本的な制作態度と関連しているようにおもえる。
これは今回取り上げている柴田にも少なからず当てはまるものだ。

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Artist > 中山玲佳 / Reika Nakayama
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